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2023年9月1日  |  建築

SketchUpとVectorworksの違い〜Vectorworksの優位性


小高 雄一郎

ここまで3回に渡って「SketchUpとVectorworksの違い」を連載してきましたが、今回で最終回となります。 最後はVectorworksの優位性についてです。 優位性と言っても、どのアプリケーションが適しているかは人それぞれ異なります。「Vectorworksってこんなことができるんだ」と軽い気持ちで読んでみてください。

1. オブジェクトベースのモデリング

1-1. オブジェクトの情報

Vectorworksでは、 直線四角形多角形円弧曲線 などの2D図形から、 柱状体NURBS曲面サブディビジョン屋根ドア などの3Dオブジェクトやハイブリッドオブジェクトまで、Vectorworksで描画された図形は固有のオブジェクト情報を持っています。

そうすることで、より高度な機能を提供することが可能です。

オブジェクトの情報

1-2. オブジェクトの編集

Vectorworksで作成したオブジェクトは、それぞれ独立した固有の情報を持っています。 そのため、四角形の 高さ の変更や多角形の 頂点移動 、柱状体の 奥行き の変更などが、すべて オブジェクト情報 パレットから簡単に数値入力で行えます。

編集にツールやコマンドを呼び出す必要がありません。 ※ツールやコマンドを使った編集ももちろん可能です。

オブジェクトの編集

1-3. オブジェクトの加工

Vectorworksでオブジェクトを加工した場合、操作の履歴を保持しています。 作成した3Dモデルの編集に入り、履歴内の図形を編集することで、簡単に加工後の図形を調整することができたり、元の図形に戻すことができます。

オブジェクトの加工

2. 属性のコントロール

Vectorworksでは、高度な属性のコントロールを備えています。 オブジェクトは、特定の 線の太さ線の種類線の色 だけでなく、特定の 塗りつぶし色ハッチングタイルグラデーション などを設定することができます。

属性のコントロール

また、これらの属性は、オブジェクトごと、またはクラスごとに設定できるため、標準化してテンプレート保存することもできます。

クラス属性

3. レンダリング

3-1. 多彩なレンダリング表現

Vectorworksの強力なレンダリングエンジンを使用し、多彩なレンダリング表現が可能です。 Vectorworks単体でプレゼンテーションを完結することができます。

多彩なレンダリング表現

また、外部アプリケーションとの連動も備えており、応用力も万全です。

Twinmotionダイレクトリンク
Twinmotionダイレクトリンク

3-2. レンダリングのカスタマイズと保存

好みのレンダリング表現やレンダリング時間の兼ね合いなど、状況に応じたレンダリング設定を細かくカスタマイズできます。

レンダリングのカスタマイズ

また、何度も設定をやり直す必要はありません。 カスタマイズしたレンダリングは、 Renderworksスタイル として保存し、いつでも使用することができます。

Renderworksスタイル

4. BIM設計

4-1. 図面の取り出し

高度なモデリング機能を使用して3Dモデルを作成したら、新たに図面を作成する必要はありません。 平面図立面図断面図 から 展開図 までコマンド1つで作成することができます。

作成したモデル
完成した3Dモデリング

平面図2D/平面 ビューで ビュー>ビューポートを作成

平面図

立面図ビュー>投影図ビューポートを作成

立面図

断面図ビュー>断面ビューポートを作成

断面図

展開図ビュー>室内展開図ビューポートを作成

展開図

作成した図面は、1つのモデリングデータから作成されていますので、モデルの修正はすべての図面に反映されます。

4-2. 一覧表作成

前半にご紹介したように、Vectorworksでは作成したオブジェクトがそれぞれで固有の情報を持っています。 それらの情報を集計することで、簡単に一覧表を作成することができます。

一覧表

Vectorworks 2023では、新機能の グラフィック凡例 ツールを使用することで、各々の好みに合わせた姿図付きの凡例表を簡単に作成できるようになりました。

グラフィック凡例について、詳しくは こちら

5. データ互換

Vectorworksでは、豊富なデータ互換によってさまざまなアプリケーションとのコラボレーションや相互運用が可能となります。

ファイルの取り出し_取り込み

例)BIMコラボレーションで重要な IFC取り出し/取り込み

IFC取り込み_取り出し

いかがでしたでしょうか。 それぞれのアプリケーションにはさまざまな長所があり、使い方に合わせて選択していただくことが作業効率の向上につながります。 今回の連載記事が少しでもみなさまの参考になれば幸いです。