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2026年2月6日  |  建築

BIMによる建築確認 Vectorworks Architect


2026年4月開始のBIMによる建築確認とは

国土交通省が発表した新たな取り組みにより、建設業界は現在、大きな転換期を迎えつつあります。建物の新築や増改築の際に必要となる建築確認申請については、2025年度の試行期間を経て、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用したデジタルデータによる建築確認申請が段階的に開始されていきます。

2026年4月より、BIMで作成した図面データを用いた建築確認申請(BIM図面審査)が本格的に開始され、さらに、2029年春からはBIMデータそのものを活用した建築確認申請の開始が予定されており、BIMの普及と活用を通じて、建築業界全体の高度化および業務の効率化が着実に進められていく見通しです。

2026年4から開始のBIMによる建築確認の目的はなんですか?

国がBIMによる建築確認を推進する背景には、建設関係者の減少や少子高齢化に伴う人材不足、柔軟な働き方への対応、SDGsに代表される環境配慮型建築への対応など、建設業界が抱える多くの社会的課題があります。

これらの課題に対する有効な手段の一つがBIMの活用です。BIMによる建築確認を通じて業務効率化を図り、申請・審査業務のオンライン化などDXを推進することで、構造的な課題の解決を目指しています。

また、この取り組みは行政側だけでなく設計者にとっても大きなメリットがあります。BIMでは3Dモデルを基盤とするため、図面間の不整合が起こりにくく、整合性の高い図面作成が可能です。さらに、24時間WEB上で申請や指摘対応ができ、移動に伴う時間やコストの削減が期待できます。加えて、高精度な図面提出により審査負担が軽減され、審査期間の短縮にもつながります。

このように、BIMによる建築確認は、業界が直面する課題への対応策として重要な役割を担い、行政・設計者双方の負担を軽減しながら、より質の高い建築の実現を支える取り組みといえます。今後、制度整備が進む中で、BIMを活用し業界全体で前向きに取り組むことが、持続可能な建設業界の実現につながると考えられます。

BIM図面審査とBIMデータ審査の違いはなんですか?

「BIMによる建築確認」とは、従来の印刷物やPDFによる申請・審査に加え、BIMソフトウェアで作成した建築データを活用して行う確認手法です。

2026年4月から開始されるBIM図面審査では、設計者が国土交通省の入出力基準に基づき、BIMモデルから書き出したPDF図面を提出します。あわせて、入出力基準適合申告書およびIFC形式のBIMモデルを確認申請用クラウド(CDE)へアップロードし、申請・審査が行われます。なお、2026年時点ではIFCデータは審査対象ではありませんが提出が求められています。

審査者は、提出された入出力基準適合申告書をもとに一部の整合性確認を省略できるため、審査期間の短縮が期待されます。

また、2029年春からは、IFC形式のBIMモデルそのものを用いて申請・審査を行う「BIMデータ審査」の開始が予定されています。IFCデータの情報定義や運用方法については、今後の制度整備とともに明確化されていく見込みです。

BIM図面審査のチェック項目と手順について

BIM図面審査は、国土交通省が定める各種ガイドラインや基準に基づき、建築確認の図面審査をBIMで行う仕組みです。運用にあたっては、「建築確認におけるBIM図面審査ガイドライン」(※1)および「入出力基準・設計者チェックリスト」(※2)に沿って進められます。

設計者(申請者)は、BIM図面審査のチェックリストや「BIM図面審査における確認申請図書表現標準」(※3)を理解し、申請図書を作成する必要があります。この表現標準では、防火設備や区画などの図面表現を統一する指針が示されており、審査の円滑化を目的としています。

BIM図面審査で必要となる主な提出物は、以下のとおりです。

 

  • BIMデータから書き出ししたPDF形式の図書
  • BIMデータから書き出ししたIFCデータ
  • 入出力基準適合申告書
    (入出力基準に従いBIMデータの作成等を行ったことを設計者が申告する書類)

 

Vectorworks Architect を使用する場合は、事前にテンプレートを適切に設定しておくことが有効です。設計者自身で設定する方法に加え、ベクターワークスジャパンと業務提携を行っているフローワークスが提供する建築BIMテンプレート(※4)を活用することもできます。

各種基準に対応したテンプレートを使用することで、「確認申請図書表現標準」を反映した図面作成が可能となり、作業効率の向上とBIM図面審査の円滑化が期待されます。

(※1):「建築確認におけるBIM図面審査ガイドライン」 こちらから ▶︎
(※2):「入出力基準・設計者チェックリスト」 こちらから ▶︎
(※3):「BIM図面審査における確認申請図書表現標準」(成果物等 項目に記載) こちらから ▶︎
(※4):フローワークス「建築BIMテンプレート」 こちらから ▶︎

BIM図面審査に向けて準備しておくこと

BIM図面審査は、企業規模や設計案件の大小にかかわらず利用可能で、現時点では設計者が任意で選択できる制度です。

2026年4月の制度開始により、BIMを活用した設計・申請手法の普及は今後さらに進むと考えられます。将来的には関連法令や指針への位置づけも想定されており、「申請できる体制を整えておくこと」が重要になっていくでしょう。

すでにBIMを導入している企業は、使用中のBIMソフトや図面表現が「建築確認におけるBIM図面審査ガイドライン」に沿っているかを確認することが大切です。また、BIMライブラリ技術研究組合(BLCJ)(※5)の「サンプルモデル」を参照することで、想定されるデータ構成や図面作成方法を具体的に把握できます。

一方、これからBIM導入を目指す企業は、BIMソフトウェアの選定が最初のステップとなります。

Vectorworks Architect はサブスクリプション方式により導入しやすく、無償の「Vectorworks University」や各種チュートリアルで基本操作を学べます。さらに、フローワークスが提供する有償講習(※6)を活用することで、実務に即したBIM運用を体系的に習得することも可能です。

これらの学習環境を活用し、Vectorworks Architect のBIMを早期に習得することで、BIM図面審査への対応を着実に進めていきましょう。

 

(※5):BIMライブラリ技術研究組合(BLCJ) こちらから ▶︎
(※6):フローワークス「BIM講習」 こちらから ▶︎

・Vectorworks University こちらから ▶︎
・Vectorworks Navi Architect 使い方ガイド こちらから ▶︎
・Vectorworks Architect 住宅モデリングガイド(初級編) こちらから ▶︎
・Vectorworks Architect 壁式RC造 BIMテキスト(中級編) こちらから ▶︎
・Vectorworks Architect ではじめる木造住宅BIM(上級編) こちらから ▶︎

 

BIM図面審査の意匠サンプルモデルについて

Vectorworks Architect を利用したBIM図面審査の準備を進める上で、意匠サンプルモデルの提供があります。

BIMライブラリ技術研究組合(BLCJ)にて提供がされている意匠サンプルモデル(※7)が、BIM図面審査の参考として利用できます。

 

(※7):BIMライブラリ技術研究組合(BLCJ) こちらから ▶︎

 

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